10月13日14日、日本障害者歯科学会と京都に行ってきました。学会出席編

10月13日に神戸の国際展示場で開催された日本障害者歯科学会に出席してきました。

本当は12日から神戸入りをしたかったのですが、息子と2人で行こうと思っていて息子の返事待ちをしていたら旅行まで2週間を切ってしまい予約を取るのが遅れて13日の朝、新幹線の品川駅から始発で神戸にことになってしまいました。

今回の目的は、「地域で診る障がい者歯科に必要な社会福祉の知識」、「脳性まひと歯科的対応(重症心身障害児・者を含む)」、「小児の摂食・嚥下リハビリティーションと地域連携医療」、「想像するちから―チンパンジーが教えてくれた人間の心―」、「特別支援学校における歯科保健向上のための学校歯科医への支援ネットワーク・プログラム作成」の5つでした。

 

「地域で診る障がい者歯科に必要な社会福祉の知識」では、社会福祉士の方々がいろいろな環境におかれた支援を必要とする人たちに、その人に合った支援をするために、いかに周囲の人たちと一緒に解決策を考えていくか、そしてそれを実行するかということを考えているのだなと思いました。

この先生の話を聞いて自分も歯科の治療だけではなくもっと社会福祉の輪の中に入っていく必要があるなと感じました。

 

「脳性まひと歯科的対応(重症心身障害児・者を含む)」

当歯科医院にも脳性まひの患者さんが何人かいらっしゃいます。治療の内容にとどまらず、治療をする環境、その人の特性をよく考えることを再認識されられました。

 

「小児の摂食・嚥下リハビリティーションと地域連携医療」

発達過程にある小児患者をいかに健常児に近づけることができるかがポイントであるというお話でした。お話の中である子供さんがストローを喉の奥まで入れて飲み物を飲んでいるところがありました。通常であれば、口の先でストローを使い飲み物を飲みます。ところがこのお子さんはストローを喉の奥まで入れていました。これは、喉の奥までストローを入れたほうがその子にとって飲みやすいからです。しかし本当は、ストローは口の先で使うものです。つまりこのお子さんは口の先が使えないのです。この子にとって必要なのは舌の先や唇を使いことを教えていくことが大切だということでした。確かにそういった患者さんはいます。その方は大人の方ですが、以上の話をして今後に役立てていきたいと思いました。そして、講師の先生のような視点をもっていろいろな患者さんに接していこうと思いました。

「想像するちから―チンパンジーが教えてくれた人間の心―」

チンパンジーは、タッチ式のコンピュータの画面に向かって学習しますが、この能力がすごいものでした。画面にぱっと浮かんだ1~9までの数字を1から順番に9までタッチできました。すごいのは、画面上にアットランダムに数字が出てから0,2秒で画面の数字がモザイクに変わってしまうのですが、それを1~9までほとんど間違えることなく順番にタッチしていくのです。京大生何十人にそれをさせてもまったくできなかったということらしいです。また、画面上に緑色を3回表示し、その後、いろいろな色の漢字を表示すると、漢字の緑をちゃんとタッチしていました。色を変えても全部できていました。色と漢字を識別できているのででした。この能力は学習によって得たものであるといっていました。はじめは、緑色だけを示してその次に緑の漢字だけをすぐに出す。そしてタッチすると成功ということになります。成功という脳への快楽を記憶させ、また、成功報酬としてリンゴがもらえる。

これを繰り返して少しずついろいろな色を足していくそうです。

チンパンジーは人間より優れた瞬間記憶能力を持っているそうです。

ただ、自分の得た情報や経験を他者と分かち合うことはできないそうです。

それは人間が持っている能力だそうです。人間に固有な能力は「想像する力」だそうです。

ということは脳科学者の澤口先生が言っている人間性知能(人間が社会的活動をすることができる知能)のことだと思いました。

 

「特別支援学校における歯科保健向上のための学校歯科医への支援ネットワーク・プログラム作成」

私は小野寺北小の学校医であり診療所では障がいのある方をたくさん診ています。その2つを結びつけると支援学校のことも分かっていた方がよいと思ったので話を聞いてみました。

学校歯科の活動は、歯科保健管理、歯科保健教育、組織活動の3つに分かれています。保健管理はいわゆる歯科健診が一番分かり易い項目で、保健教育は学校での講和を主軸としていて、組織活動は児童、教諭、保護者、それ以外に学校にかかわる人達の活動を円滑にしていくということです。

学校歯科医はどのように学校歯科を行っていったらよいかを常に悩んでいます。それをどのように支援していったらよいかを支援学校にアンケートを取っていろいろと調べましたという発表でした。

やはり悩んでいるところは同じでしたが特に歯科保健教育が進んでいないようです。確かに教育は内容や聞く人たちのことを考えて行なう必要があるので、講和する方は、「どこまで?」と考えてしまいなかなかできないのではないかと思いました。

今回の参加は日曜日だけのものでしたが充実した日を過ごすことができました。