基本的には通常の虫歯治療を行います。しかし、初めての歯科治療の場合なかなか治療椅子にも嫌がって座れない子供たちもいます。
大切なことは、歯科医院の雰囲気に慣れることです。治療椅子、器械、器具になれることです。
痛みがひどくない場合は、はじめのうちは遊んでもらうだけでいいです。まずは待合室で遊んでもらうのが良いかと思います。

歯医者さんに慣れてもらうのが大切

少し慣れてきたら、だんだんに治療椅子の方に来てもらいます。治療椅子に小さなぬいぐるみなどがあるのでそれで遊んでもらうことでもいいです。
歯科医院デビューは、とにかくお子様にとってはすべてが新しいもので未知の世界です。いろいろなものに興味を持つお子様や怖がるお子様など様々です。

興味を持つお子様に対しては、「風が出る物もあるよ。」「水が出る物もあるよ。」「水を吸ってしまうものもあるよ。」などと歯科医の治療道具をいろいろ見せながら恐怖心を取り除き、治療に導くようにしています。

また、怖がるお子様に対しても上記と同じような形で面白いと感じてもらうような話をしながら治療に導いていくようにしています。その日に治療が出来なくても「今度来たら、また、遊ぼうね。」とか「今度○○までやろうね。」などと必ず約束して次回につなげるようにしています。

以上のように、治療のできるお子様は、歯科治療のやり方や道具を教えながら、治療のできなかったお子様には、歯科医院に慣れてもらうためにできることだけをします。

虫歯を治療することは、お子様の恐怖心を取り除き、その子に合ったペースで行うことが一番良いと考えています。

治療後にまた虫歯にならないためにはどうしたらよいでしょうか?

 虫歯治療の4つの原則を守ることが重要です。

(1)ブラッシング

子供が自分でする歯磨きでは十分な効果は得られません。自分歯磨きは、歯磨きをする習慣をつけるためだとお考えください。

歯科医師、歯科衛生士にブラッシング指導を受けた大人の方が必ず仕上げ磨きをしてあげてください。お子様によって異なりますが小学3~4年生くらいまでは仕上げ磨きをしてあげてください。

(2)だらだら食べをしない

口の中が中性に保たれていれば虫歯になりづらく、酸性に傾くと虫歯になりやすくなります。

食事をすることによって口の中が酸性になっていくと、唾液が口の中を中性に戻そうとします。

ところが唾液が口の中を中性に戻そうとする前に、お菓子を食べてしまったり、ジュースをもんでしまったりするとするとその都度、口の中が酸性になってしまいます。

そうするといつも口の中が酸性になっている状態が続くということになり、つまり、虫歯になりやすいということになるのです。できるだけだらだら食べるのはやめましょう。

(3)定期健診

家庭でのブラッシングでは、落としきれない汚れや歯ブラシが届かないところも出てきてしまうので3~4か月に一度、歯科医院でのブラッシングチェックを受けたり、PMTC(専門的な歯の掃除)を受けたり、フッ素を塗布してもらうことがよいことです。
*PMTC:歯科医あるいは歯科衛生士が専門の器材を使用して歯のクリーニングをすることです。

(4)フッ素とキシリトールの使用

フッ素は、歯を強くしてくれる薬です。歯磨き粉に含まれていますが、歯科医院で塗布するものは濃度が濃いものです。定期健診できれいになった歯にフッ素をつけたほうがより効果があります。
また、キシリトールは、甘味料ですがその甘さは、虫歯菌であるミュータンス菌の栄養源にならないので歯の表面を溶かす酸を作り出しません。

また、キシリトールを摂取した場合、虫歯菌の活動を押さえることが出来ます。
キリシトールガムの使用方法は、食事が終わったらすぐにガムをかむ、あるいはお菓子、ジュースを飲んだらすぐにガムをかむ、そうすると唾液が多く出てきて口の中を中性に戻してくれます。だらだら食べをしても虫歯になりにくくしてくれます。

以上の虫歯治療の4つの原則を守り、お子様の歯が虫歯にならないようなお口の中を作っていきましょう。